今になって、やっと木崎のことをきちんと考えた。
実感がない。
死に実感がないのは普通だと思う。
わ か ら な い んだから
どういうことだろうと今、まだ考える
死 ぬ こと
不思議とぼくは死に不安を抱かない
死を味わったことがないから
わかんない
わかんないことが多すぎて
わかんない
みんながどうだとか、
今までこうだとか、
ぼくはしらない
しるひつようはないね
気持ちの整理はできてないわけじゃないけど
わからない
普通の気持ちでいる
いつもと変わらない日常が
この家にあった
いつ
いつぼくは泣けばいいのかわからない
どうしよう
わからない、
すべてわからなくなってきた
どこかで読んだ
なんだ、この文章。
ふと浮かんできた
ぼくは持つ宗教も哲学もない
だから
死や 死後の世界を知らない
死後に世界があるのか
生前に世界があったのか
ぼくはしらない
ただ
この世界だけを知っている
まだぼくが知らないこの世界には
あとどれほど人がいて
そのうち何人が
このさき僕と出会うのだろう
そしてこの先何人が
ぼくが死ぬ前に 死ぬのか
生まれてくるのか
ぼくは何もしらない
ぼくも、何もしらない。
誰 も 、 何 も し ら な い ん だ よ 。
誰が、ぼくのことをしってるの。
誰が、この世界を統治してるの。
誰が、ぼく達を助けてくれるの。
なにがあったのかわかんない。
